西塚助手
レディアイコを次はどこで使うか、悩ましい問題です
東京オリンピックが終わり、それに伴って行われていた新潟、函館の2場開催が先週で終わりました。
今の時期、通常なら3場で行われていた競馬が、昨年と今年は3週間だけ2場で行われました。また、昨年の北海道開催は東京オリンピック延期に伴って函館→札幌の順番で行われましたが、今年は札幌→函館と来て、今週からまた札幌に戻ります。
これらの変更によって混乱が起こるのでは、と心配していましたが、個人的には大きな混乱はなかったという印象です。
“大きな混乱がなかった"というのはあくまで僕個人の印象で、厩舎関係者の中には使いたい条件に馬を使えなかった、などの指摘がある方もいらっしゃるかもしれません。実際、盛岡の芝で行われる中央の未勝利馬による地方交流レースでは、6頭の枠に対して20数頭の登録があったようです。
ただ、除外が何十頭も出るレースが続出したとか、8節以上、つまり2ヶ月以上間隔が開いた馬が除外になるようなケースはあまりなかったはずです。盛岡のケースにしても、今週からは3場ですから、今後は極端な出馬ラッシュにはならないでしょう。
大きな混乱が起きなかった要因のひとつとして考えられるのは、この3週間は出たいレースに投票できる、いわゆる“追い込み"形式だったことがあると思います。
例年の夏競馬は割り当てられた馬房の数に応じて投票ができるシステムになっていて、さらに関西馬なら小倉、関東馬なら新潟に優先的に出走できる、“自ブロック制度"が存在します。ただ、この3週間はそれがなくなったんです。これは大きかったと思います。
実際、特に上の条件には関西馬の出走が多く、この3週の新潟で行われた72レースのうち、関東馬は25勝、関西馬は48勝(※1レース関西馬による1着同着あり)。函館が関東馬35勝、関西馬37勝ですから、新潟ではキッチリと勝たれてしまいました。
正直、こうなってしまうんじゃないかという思いはあったんですけど、いざ現実になってみると、やはり関東の人間としてショックはあります。ただ、成績の面は別にしても、昨年も同じような形で開催が行われた経験があったことも大きかったのか、思った以上にスムーズだったと思います。
ただ、改めて指摘しておきたいのは、障害レースが新潟ジャンプSの1レースしかなかったことです。実際、この3週間は無収入になってしまった障害騎手もいるそうです。
僕自身も仲が良い障害騎手がいますから、そういう騎手のために言っているんだろう、と思われるかもしれません。でも、これはJRAが掲げるする公正な競馬の根幹に関わる部分で、僕にとっても対岸の火事ではないんです。
オリンピックは終わりましたが、今後も同じようなケースがあるかもしれません。その時はぜひ、そういった面も考慮していただきたいと思っています。
さて、話が変わりますが、東京ダート1400mのデビュー戦でタイムオーバーとなってしまったレディアイコが、先日帰厩してきました。
蓄膿の治療によって鼻に開いていた穴も塞がってきていて、良い雰囲気になって帰ってきてくれたと思います。穴が塞がってきたということは、蓄膿の膿みが出きったということですから、その点でも本当に良かったと思います。
跨がった矢原さんも、「綺麗な跳びをしているし、とてもタイムオーバーになるような馬ではない」と言っています。僕も今度こそは、と内心期待しています。
ただ、悩ましい部分もあります。レディアイコはデビュー戦の馬体重が380kgと身体が小さいのに対して、矢原さんも言うように跳びが綺麗なタイプなんです。
皆さんも、“跳びが綺麗なタイプ"というフレーズを聞いたことがあると思います。そういう馬は、距離が短いところより、ある程度距離があった方が良いことが多いんですよ。実際、そういう馬に乗っていると、そう感じることが多いんです。
そして、レディアイコに対してもそういう感覚があります。そこで気になるのが、先ほど言ったような小柄な馬体。小柄なステイヤーもいますし、絶対にそうとは言い切れませんが、スタミナという部分では少し不安を感じるわけです。
ひとつだけ言えることは、ダートか芝かと聞かれれば、圧倒的に芝だと思います。
ここまでの話をまとめると、芝が良さそうで、跳びが綺麗で距離があった方がいい。でも小柄で、スタミナの面では一抹の不安あり。そういう馬をどこで使うのか、本当に難しいんです。
ここからの追い切りや調教などの動きも見た上で、ウチの先生が最終的に判断をすることになりますが、僕としては短いところ、長いところどちらもあり、というのが正直な思いです。これは、本当に難しい選択になると思います。
レディアイコはオグリキャップの血を引く貴重な馬で、話題の“ウマ娘"ファンの皆さんにも注目されているようです。どんな条件に使うにしても、出走する時はぜひ応援してください。よろしくお願いいたします。

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