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西塚助手

【菊花賞回顧】タイトルホルダーの圧勝劇は、前走に伏線があったように思います


先週は三冠最終戦の菊花賞が行われ、武史(横山武騎手)が騎乗したタイトルホルダーが、5馬身差で逃げ切るという結果になりました。

菊花賞での逃げ切り勝ちは、武史のお父さんでもあるノリさん(横山典騎手)がセイウンスカイで制した98年以来だそうです。このコーナーでも何度か話が出ている武史は、これで今年の皐月賞(エフフォーリア騎乗)、菊花賞と、異なる馬での二冠となりました。

個人的な見解になりますが、今回のタイトルホルダーのレースぶりに感じることがあったので、そのことについて話をさせていただきたいと思います。

タイトルホルダーと武史は、今回で3戦目のコンビとなりました。弥生賞では逃げ切り勝ちを収めましたが、前走のセントライト記念では13着に敗れていました。僕の見方では、前走の敗戦があったからこそ、今回の逃亡劇になったのでは、と思うんですよ。

セントライト記念でのタイトルホルダーは好位に控えましたが、直線で包まれてほとんど追えずに敗れました。武史本人に聞いたわけではありませんが、もしここでスムーズな競馬ができていたとしたら、今回ほど思い切って行き切るレースを選択していなかったんじゃないかと。

前走で控えたのが偶然だったのか、それとも菊花賞が未知の3000mという距離で、折り合い面を試したいという意識だったのかは分かりません。ただ、菊花賞でのレースぶりはその時の経験を踏まえ、勝つためにはこれしかないという思いだったんじゃないか、と見えたんですよ。

実際、阪神と京都の違いはありますが、テンの出し具合は、3000mの競馬ではないと感じたほどでした(※前半3Fは過去10年でもっとも速い35秒1)。最内枠のワールドリバイバルも行く構えを見せていたわけで、これを行かせて2番手という選択肢もあったはずなのに、絶対に譲らないという意思の表れだったと思うんですよね。

タイトルホルダーは関東馬で、調教で見ることもあります。これは僕の見た印象なのですが、行きたがるところがあるようですし、実際そういう話も聞こえてきます。レースなどを見ていると、1頭のときは大丈夫で、他の馬が傍にいると良くないタイプに見受けられるんですよ。クロス鼻革を装着しているところから見ても、前重心のタイプで、掛かると伸び切ってしまう感じになるんじゃないかと。

僕の経験に基づく話ですが、そういうタイプの馬はハミを掛けて我慢させるよりも、一旦伸び切らせて、そこから少し持つような調教の方が、馬の良さが活きるように思うんですよ。

実際、もし溜めて弾けるタイプであれば、武史もあそこまで出して行かなくてもいいはずですし、周りに馬がいると掛かるタイプであれば、我慢させると良くない。そういった面を前走で把握したからこそ、今回のような競馬になったのではないでしょうか。

つまり、武史や陣営が、馬が持つ能力や特性を的確に把握し、それを活かした結果が今回の勝利なんじゃないかと思うんです。

ところで、以前にも話をしましたが、サンデーサイレンスが登場する前と後では調教のアプローチが変わって、近年は溜めて最後に瞬発力を爆発させるのがベスト、という風潮ができました。

ただ、タイトルホルダーのようなタイプには、その調教方法が合うかどうかは少し疑問があるんです。実際、血統表の中にサンデーサイレンスの名前はありますが、そこまで濃くはありません(※父ドゥラメンテの母父がサンデーサイレンス)。

大袈裟な言い方をすると、サンデーサイレンス全盛の時代から、少し変わりつつある兆しを見せたのが今回の菊花賞なんじゃないかと思うんですよね。ということは、これまでのような瞬発力を求める調教方法だけでなく、今後はそれ以外のアプローチも必要になるでしょう。

僕もこれまで培ってきた方法で成功体験を持っていますが、それに固執するだけではいけません。馬の特性を把握して、それを活かすためにどうすればいいかしっかり考えなければいけない時代に、僕も対応していかなければと感じています。

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