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西塚助手

復帰を果たした松岡さんへの思いを話します


先週土曜の東京7Rで、松岡さんがついに復帰を果たしました。昨年12月13日の香港Cウインブライトに騎乗してから、約11ヶ月ぶりの実戦騎乗でした。

僕自身、少なくとも月に1~2回、多いときには毎週のように顔を合わせていました。その中で、松岡さんの気持ちの浮き沈みや、思うように回復が進まない状況、それに伴って当初は目標にしていた夏競馬での復帰を断念したことなど、本当に多くの紆余曲折があって、それを傍で見てきました。

実際、もう1回同じ怪我をしてしまったら、騎手生命のみならず、命にも危険があるかもしれない、と言われていたそうです。そういう状況で松岡さんがどれだけ頑張ったのか、ここでは話しきれませんし、僕が言い表すことができないくらいの苦労を重ねているはずです。

デビューから順調に勝ち星を伸ばし、同期の石橋脩とともに頭角を現しはじめた頃に出会い、一緒にバンドを組んだりして、年間100勝を超えたのが2010年。そこからケガなどもあって勝ち星が減ることもありましたが、近年はウインブライトという馬に出会って、本人も納得できる仕事ができたと思ったところでの大ケガ。そんな過程を共有してきた僕としても、松岡さんの人間的な強さ、魅力を強く感じるようになったと思います。

そういう松岡さんの姿、言い換えると生きざまのようなものを見ていて、僕の中でも少し気持ちの変化があったんです。以前はぜひ復帰してほしいと思っていましたが、最近は復帰する、しないにかかわらず、松岡さんのやりたいようにやってくれればいいと思うようになっていたんですよね。

ですから今後も、松岡さん自身が悔いのないようにやってくれれば、それでいいんじゃないだろうか、と思っています。

先週はもうひとつ、大きな出来事がありました。米国最大の競馬の祭典・ブリーダーズCで、ラヴズオンリーユーフィリー&メアターフマルシュロレーヌディスタフを勝利するという偉業を達成しました。日本調教馬によるブリーダーズC勝利は、これが初めてのことになります。

以前も話をしたことがあるのですが、僕自身、芝のレースならばアメリカでも日本馬にチャンスがあるだろう、と思っていました。

実際、シーザリオアメリカンオークスを制していますし、G1以外でもダンスインザムードヌーヴォレコルトが重賞を勝っています。ブリーダーズCでも力があって、状態が整った馬が行けばチャンスはあるだろう、と思っていました。

ただ、本場といえるダートのディスタフで勝ったことは、少なからず驚きました。しかも、マルシュロレーヌは国内ではG1を勝っていない馬です。

今回の勝利で思うことは、やはり日本馬の実力は世界的に見ても決して劣っていないということと、日本での実績にこだわらず、適性をしっかり見極めた上で遠征することが大事だということでしょう。

これまでの日本では瞬発力があって“弾けるタイプ"の馬が多く活躍してきましたが、海外では必ずしもそうではなく、スピードを持続させることが得意なタイプが、ヨーロッパの芝やアメリカに高い適性を示す可能性があるわけですよね。

だからこそ、ラヴズオンリーユーマルシュロレーヌをアメリカに連れていった矢作先生をはじめとする陣営の慧眼は凄いと思いますし、さすがだと思います。

菊花賞の時に話しましたが、日本でもそういうタイプの馬が増えてくる兆しがあります。ですから、欧州やアメリカでも活躍する馬が増えてくる可能性があるはずです。

今回の勝利で、これまでは凱旋門賞に向かっていた馬が、適性を見極めてブリーダーズCという選択をする馬も増えてくるでしょうし、そうあってくれれば、と思います。

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